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シングルファザーになった理由と向き合う心境

rollingchaka

なぜシングルファザーになったのか

結論から言うと妻を癌で亡くしたからだ。ステージ4の乳がんで脳に転移した癌が癌性髄膜炎という症状をを引き起こし、それが原因で亡くなった。

妻が乳がんを患い、ステージ4という厳しい診断を受けた日から、僕たち家族の生活は大きく変わりました。闘病生活を支える中で、妻が見せた強さ、子どもたちと過ごす日々、そして多くの人々の優しさに触れたこと――そのすべてが僕の心に深く刻まれています。

この記事では、妻の病気が見つかるまでの経緯、闘病中の出来事、そして家族や周囲の支えによって気づいた大切なことについてお話しします。同じように病気や困難に向き合っている方々に少しでも役立てばという願いを込めて。

最初は更年期障害だと思っていたのに。

妻が「なんか最近調子悪いわ」と言い出したのは、乳がんが見つかる半年ほど前のことだった。急に汗をかいたり、体のだるさを感じたり、お腹の張りや動いたときの息苦しさを訴える日が増えていた。
でも妻は、「あたし更年期障害やわー」と笑いながら話していたので、僕も深刻に受け止めていなかった。まさか、こんな重大な病気が隠れているとは思いもしなかった。

お腹の張りを訴え病院で診察してもらうと、卵巣が腫れていて腫瘍があるかもしれないという事で、大きな病院で詳しく検査をすることになった。

結果はやはり癌。詳しく検査をすると卵巣にあるのは原発ではなく乳がんが転移したものだった。すでにがんは進行しており、他の臓器にも転移していた。腹水や胸水も見られ、ステージ4という診断が下ったとき、頭が真っ白になったのを今でも覚えている。

医師から告げられたのは、もう手術は不可能だという現実。選択肢はホルモン療法か抗がん剤を使った化学療法だけ。しかし、妻のがんは卵巣に転移し、尿管を圧迫して腎臓の数値が悪化していたため、その時点では抗がん剤すら使えない状態だった。

まずは腎臓の数値を下げるため、尿管にステントを入れる処置が必要だと言われた。もしこれで数値が下がらなければ、抗がん剤治療はできない。それは、妻の命がさらに短くなることを意味していた。絶望感と不安に押しつぶされそうになりながらも、「どうか数値が下がってくれ」と、神にもすがる思いで祈った。

奇跡的に数値は下がり、抗がん剤治療がスタート。使用されたのは「パクリタキセル」という薬だった。こうして、妻の闘病生活が本格的に始まった。

ただ、これは僕たち家族にとっての新しい生活の始まりでもあった。もちろん治ってほしいと思っていたけど妻を支え、4人の子どもたちと日常を維持する中で、僕は少しずつ「シングルファザー」という現実に向き合い始めていた。

闘病生活の中で感じた「優しさ」

妻の闘病生活が始まると、本当に多くの人の優しさに助けられた。
身近なところで言えば、親の存在がとても大きかった。抗がん剤の副作用の影響か、妻は度々尿路感染症を起こし、入退院を繰り返していた。僕は仕事があったため、妻の母や僕の母が晩ごはんを作って持ってきてくれる日々。あの頃の僕たちの生活は、親の手助けなしでは回らなかったと思う。

会社にも本当に良くしてもらった。事情を説明すると、上司や同僚は「仕事のことは気にしなくていい」と言い、病院への送迎や治療方針の説明があるたびに、有給を取らせてくれた。そんな温かい言葉と配慮に、どれだけ救われたかわからない。

冬休み中には、妻が突然脱水症状を起こし、救急車で病院に運ばれるという緊急事態があった。そのときは、お隣さんが助けてくれた。二人の息子がいるご家庭で、子ども同士が遊ぶことも多かったご近所さんだ。その日は我が家の4人の子どもたちを一晩預かってくれて、僕は安心して妻に付き添うことができた。あのときのお隣さんの優しさを思い出すたびに、胸が熱くなる。

闘病生活の中で触れたたくさんの優しさに、僕は何度も救われた。でも同時に、ふと思ったことがある。もし自分の身近な人が困っていたら、果たして自分もこんなふうに優しくできるだろうか?

その問いは、今でも僕の心の中にある。あの頃の僕は、自分がとても小さな人間に感じられた。でもその分、支えられた優しさに感謝し、いつか自分も誰かを支えられる人間になりたいと心から思うようになったのだ。

後半へ続く

ABOUT ME
ぱーちゃん
ぱーちゃん
口癖はなんとかなるやろっ!
子どもたちに「ぱーちゃん」と呼ばれるちっこいおっさんです。4人の子ども(中2・小6・小3・小1)を育てるシングルファザーです。仕事や家事、育児に追われる毎日ですが、子どもたちの笑顔に支えられ、なんとか楽しく過ごしています。 このブログでは、子育てや家事に奮闘する方、忙しい日々を送る方が少しでも気持ちを軽くできるような情報を発信できればうれしいです。どうぞよろしくお願いします!
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